中古艇比較

【数百万円台で選ぶ】人気中古艇7選|カタログではわからない魅力と、買ってから気づくこと

自分の船を持つ。その夢は、思っているより身近かもしれません。

中古艇市場には、数百万円台から購入を検討できる魅力的なプレジャーボートが数多くあります。

本格的なルアーフィッシングを楽しめる船。一人で気軽に出港できる船。家族とクルージングを楽しめる船。

ただし、中古艇の価値は価格や年式だけでは決まりません。

船の設計思想はもちろん、イケスの使いやすさ、船内の移動、助手席の位置、カスタムの自由度。何十回と出港して初めて気づく細部が、所有する満足度を大きく左右します。

今回は、数百万円台の中古艇を中心に、幅広い購入予算で検討しやすい人気の7艇種を紹介します。

新しい船だけでなく、長年使われてきた実用艇にも注目しました。

それぞれの魅力と弱点を知り、自分に合った一艇を探してみましょう。

01

ヤマハ YFR-24

釣りの自由度を追求した、現代的な24フィート艇

ヤマハ YFR-24EX
ヤマハ発動機「YFR-24EX」

YFR-24EX の製品ページのメイン写真。

基本スペック(YFR-24EX系)

  • 全長7.20m × 全幅2.59m
  • 150〜200馬力級船外機/燃料200L
  • ハードトップ、カディ、イケス、広い前後デッキ
  • FSR仕様は後部操船装置を装備

YFR-24は、ルアーフィッシングを本格的に楽しみたい人に人気のモデルです。

特徴的なスクエアバウは、船首でのキャスティングをしやすくする設計。船体の周囲を移動しながら釣りができるため、魚の動きに合わせてポジションを変えられます。

朝は青物のキャスティング、午後はタイラバ。釣り方が変わっても柔軟に対応できる船です。

乗ってわかる、船のこだわり

① 助手席がないと、意外と不便。

標準仕様ではナビゲーターシートはオプション。

実際のオーナーには、助手席の価格や設置場所に悩み、DIYで自作した人もいます。

釣りには十分な船でも、同乗者がどこに座るかは別問題。長時間の移動では、助手席の有無や座り心地も重要です。

② 自分の釣りに合わせて成長させられる。

魚探、レーダー、ロッドホルダー、電動リール電源、集魚灯などを追加し、釣り方に合わせて艤装を進化させられます。

中古艇では、装備の豊富さだけでなく、配線の施工品質や電源容量まで確認したいところです。

02

ヤマハ F.A.S.T.23

思い立った朝に海へ。気軽さが最大の贅沢になる船

ヤマハ F.A.S.T.23
ヤマハ発動機「F.A.S.T.23」

製品ページのメイン写真。

基本スペック

  • 全長7.00m × 全幅2.35m
  • 90馬力・115馬力船外機
  • 燃料100L(初期型は75L)
  • ハードトップ、カディ、イケス、前後の釣り座

F.A.S.T.23は、人気の小型フィッシングボートFW-23の流れをくむモデルです。

23フィート級の扱いやすさを維持しながら、デッキの広さや収納性、釣りのしやすさを追求しています。

休日の朝、気が向いたら一人で出港する。そんな使い方が似合う船です。

乗ってわかる、船のこだわり

① イケスが釣り用の椅子にもなる。

船尾には盛り上がった座面と一体になったイケスがあります。

座って竿を操作しやすい一方、魚を取り出す際には、開口部の高さや水面までの距離が気になる可能性があります。

イケスは容量だけでなく、実際に魚を取り出しやすいかも重要。見学時には蓋を開けて、手が届く範囲を確認したいところです。

② 2021年の改良で燃料容量が増えた。

燃料タンクは75Lから100Lへ。

見た目が似ていても、釣行計画に関わる大きな違いです。

中古艇では年式だけでなく、改良前後の仕様を比較することで、より自分に合った個体を選べます。

03

ヤマハ F.A.S.T.26

仲間と釣りに没頭する。ゆとりを実感できる26フィート

ヤマハ F.A.S.T.26
ヤマハ発動機「F.A.S.T.26」

製品ページのメイン写真。画像内の表示は F.A.S.T.26HT。

基本スペック(HT・EX系)

  • 全長8.40m × 全幅2.45m
  • 175馬力船外機/燃料200L
  • ハードトップ、カディ、イケス、広い前後デッキ
  • 旧型にはディーゼルドライブ仕様も存在

F.A.S.T.26は、複数人での本格的な釣りを楽しむためのモデルです。

前後に釣りスペースを確保し、仲間と同時に竿を出す際にも使いやすい構造。

23フィート級から乗り換えると、釣り道具の置き場所や船内での移動に余裕が生まれます。

乗ってわかる、船のこだわり

① 船尾のハッチが釣り座として使える。

座った姿勢で仕掛けを扱いやすく、流し釣りにも便利です。

ただし、ハッチの上に大型収納やクッションを固定すると、点検の際に開けにくくなることがあります。

艤装する際には、釣りの快適さだけでなく、整備性も考えたいところです。

② ロッドホルダーを追加しやすい。

船縁の内側から加工しやすい設計で、使い方に合わせた後付け艤装が可能です。

最初はタイラバ中心でも、後から電動リール用電源やジギング用の装備を増やす。

長期所有する楽しみがある船です。

04

ヤマハ UF-25

古いからこそ面白い。自分だけの釣り船を育てる楽しさ

基本スペック(1999年UF-25 O/B参考)

  • 全長8.19m(バウスプリット含む)× 全幅2.61m
  • 150馬力船外機/燃料160L
  • 広い釣りデッキ、イケス、収納スペース
  • 年代や仕様によって機関が異なる

UF-25は、ヤマハの実用的なフィッシングボートとして長く使われてきたモデルです。

豪華な内装より、釣り場での使いやすさを優先した設計。

比較的手頃な価格の中古艇を探し、自分の好みに合わせて仕上げていく楽しみがあります。

乗ってわかる、船のこだわり

① 補機まで工夫して、自分の釣りに合わせる。

過去には、小型の補機船外機を追加し、低速での流し釣りに活用していた実艇もあります。

安全性や操舵系統の信頼性には注意が必要ですが、古い実用艇ならではのカスタム文化が感じられます。

② 足元のイケスは、荷物の配置が重要。

床面にイケスを設けた仕様では、ハッチの上にクーラーボックスや釣り道具を置いてしまうと開けにくくなることがあります。

イケスの位置と、実際に釣りをするときの道具の配置を合わせて考えることが重要です。

05

ヤマハ FR-23 Active Sedan

釣れない日でも、家族との思い出が残る船

ヤマハ FR-23 ActiveSedan
ヤマハ発動機 製品史

製品史が FR-23 ActiveSedan としている写真。

基本スペック(2009年登場モデル)

  • 全長7.09m × 全幅2.55m
  • 150馬力船外機/燃料165L
  • 大型キャビン、対面式シート、個室トイレ
  • エアコンはオプション設定

FR-23 Active Sedanは、釣りだけでなく、家族や友人と海で過ごす時間を重視したモデルです。

明るいキャビン、向かい合って座れるシート、個室トイレ。

船上で釣りをしない人にも、快適に過ごしてもらうための工夫があります。

乗ってわかる、船のこだわり

① キャビンが広い代わりに、船首への移動には注意。

居住空間を確保した分、キャビン横の通路には制約があります。

実際の乗船記でも、船首への移動に怖さを感じたという声があります。

頻繁に船首へ移動して釣りをする人は、通路の幅や手すりの位置を確認したいところです。

② エアコン付きでも、実際に動くかが重要。

エアコンは夏場の快適さを大きく左右します。

しかし中古艇では、冷暖房の動作、電源、排水などの状態確認が必要です。

装備が豊富な船ほど、機能しているかどうかまで見ることが大切になります。

※旧型FR-23とは設計・装備が異なります。

06

トヨタ ポーナム26L

見た目より、乗ってわかる快適さ。大人の実力派クルーザー

基本スペック(26L・26L II系)

  • 全長8.97m × 全幅約2.9〜2.95m
  • 165〜185馬力級ディーゼル船内外機
  • 燃料200L
  • アルミ船体、クローズドキャビン、トイレ

ポーナム26Lは、アルミ船体とディーゼルエンジンを組み合わせた、トヨタらしい技術志向のクルーザーです。

華やかな装飾より、航行時の快適性を重視した設計。

過去のオーナーによる使用記録でも、走行の快適さや室内の静かさが評価されています。

乗ってわかる、船のこだわり

① 26L IIでは、入口のひさしが15cm延長された。

2008年の改良では、キャビン入口のひさしを150mm伸ばし、ドア上部に手すりを追加しました。

雨の日にキャビンへ出入りするとき、こうした小さな改良の便利さを実感できるでしょう。

② 座席の向きも、快適さを左右する。

広いキャビンでも、同乗者が前を向いて景色を見られるかは別の問題です。

実際のオーナーからは、座席の向きに対する不満も語られています。

購入時には実際に座り、視界や会話のしやすさを確かめたいところです。

07

日産 ウイングフィッシャー23

小型でもキャビン付き。実用性で選ぶ釣り人の相棒

基本スペック(23EX系など)

  • 23フィート級
  • 船外機仕様
  • キャビン、イケス、前後デッキ
  • トイレなどの装備は個体によって異なる

ウイングフィッシャー23は、釣りを中心にしながら、風雨を避けて休める空間も欲しい人に向いた船です。

現在は新艇の製造が終了していますが、中古市場には船外機や電子装備を更新した個体も見られます。

乗ってわかる、船のこだわり

① 古い船体でも、新しい釣り装備を組み合わせられる。

20年以上前の船体に、新しい4ストローク船外機や魚探、エレキモーターを搭載した実例があります。

船体の基本状態が良ければ、必要な装備を更新しながら使い続ける選択肢があります。

② ハッチの裏側に、船の使われ方が表れる。

イケスや収納庫の蓋を開けたら、裏側のカビ、ゴムパッキン、補修跡まで見ておきたいところです。

表面がきれいでも、水が入りやすい状態になっていることがあります。

電装品を収納する場所なら、特に重要な確認ポイントです。

7艇を比較すると、どこで選択が分かれる?

人気7艇のポジショニングマップ

自分に合う一艇は、どんな休日を過ごすかで決まる。

↑ 広さ・設備・滞在のゆとりを重視

← 釣り・スポーツを重視

↓ 少人数で気軽に使う

クルージング・家族利用を重視 →

※設計思想・用途による編集上の相対配置です。性能順位や中古成約価格を示すものではありません。

購入時に迷う、4つの組み合わせ

どちらを選ぶかは、船の大きさより「いつ・誰と・何をするか」。

  1. 01本格釣行で迷ったら

    YFR-24

    キャスティング・機動力を優先

    VS

    F.A.S.T.26

    多人数の流し釣り・釣り座を優先

  2. 02小型フィッシャーで迷ったら

    F.A.S.T.23

    気軽な少人数釣行・新しさを優先

    VS

    ウイングフィッシャー23

    キャビンでの休憩・実用性を優先

  3. 03購入費と手間で迷ったら

    F.A.S.T.23

    比較的新しい艇の安心感を優先

    VS

    UF-25

    艤装や整備も楽しむ

  4. 04家族との休日で迷ったら

    FR-23 Active Sedan

    日帰りレジャーと扱いやすさ

    VS

    ポーナム26L

    移動中の居住性・快適さを優先

※艇種の方向性を整理した比較です。実艇の装備、年式、整備状態で評価は変わります。

本格的な釣りなら「YFR-24」と「F.A.S.T.26」

キャスティングを中心に積極的にポイントを移動するならYFR-24。

仲間と流し釣りを楽しみ、後部デッキの作業性を重視するならF.A.S.T.26。

意外にも、YFR-24の全幅は2.59m、F.A.S.T.26は2.45m。船の長さだけでは広さを判断できません。

小型艇なら「F.A.S.T.23」と「ウイングフィッシャー23」

少人数で気軽に出港し、釣りに集中するならF.A.S.T.23。

キャビンで休憩する時間を重視するならウイングフィッシャー23。

ただし、旧型艇はエンジンや船体の状態によって購入後の負担が大きく変わります。

購入費を抑えるなら「F.A.S.T.23」と「UF-25」

比較的新しいモデルの安心感を求めるならF.A.S.T.23。

良質な旧型艇を手に入れ、整備やカスタムを楽しむならUF-25。

船体価格だけでなく、今後必要になる整備費用も含めて比較したい組み合わせです。

家族との海遊びなら「FR-23」と「ポーナム26L」

気軽な日帰りクルージングならFR-23 Active Sedan。

室内の快適さや航行中の居心地を重視するならポーナム26L。

どちらが上というよりも、海でどう過ごしたいかによって選択が分かれます。

自分に合う船を見つけるために

こんな休日を過ごしたい注目したい船
釣りの腕を磨き、魚を追いかけたいYFR-24
一人でも気軽に出港したいF.A.S.T.23
仲間と本格的な釣りを楽しみたいF.A.S.T.26
艤装や整備を含めて船を育てたいUF-25
家族で釣りもクルージングも楽しみたいFR-23 Active Sedan
移動中も快適に過ごしたいポーナム26L
小型艇でもキャビンが欲しいウイングフィッシャー23

中古艇の価格は、同じモデルでも年式・機関・整備状況・艤装内容によって大きく変わります。

数百万円台で見つかるモデルでも、状態の良い個体や機関を更新した個体では価格が高くなることがあります。

反対に、安価でも大規模な整備が必要なら、購入後の総費用が大きく膨らむ可能性があります。

良い中古艇とは、欠点のない船ではありません。自分の使い方に対して、欠点よりも魅力が大きい船です。

中古艇を見学するときは、ぜひ実際に船内を動いてみてください。

イケスを開ける。魚を取り出す動作をする。クーラーボックスを置く。船首へ移動する。助手席に座る。

たった10分でも、カタログではわからない違いが見えてきます。

購入価格や見た目だけでなく、毎回の出港が楽しくなるかどうか。

その視点で選んだ船こそ、長く付き合える一艇になるはずです。

※寸法・機関・装備は代表的な仕様です。年式や改造歴によって異なります。実際の価格、船体状態、整備費用は個別に確認してください。

この記事で紹介したモデル

  • ヤマハ YFR-24

    外洋向けの船外機キャビン。2018年のEXは全長7.20m、8人、燃料200L。累計1,000隻を超えた、と紹介されている。

  • ヤマハ F.A.S.T.23

    流し、座ってのえさ釣り、立ってのキャスト。全長7.00m、8人、燃料100L。一人で操船しながら釣れる。

  • ヤマハ F.A.S.T.26

    内海の流し。船外機の主機を上げ、補機で船首を風上へ向ける。風に対する角度は、スパンカーだけだと41度、補機を足すと0.2度。

  • ヤマハ UF-25

    1999年に、140馬力から150馬力へ上げたフィッシング。最高速は2ノット強上がり、34ノットを超える。全長8.19m、12人、燃料160L。

  • ヤマハ FR-23 Active Sedan

    2009年のアクティブセダン。釣りに、家族とマリーナでの滞在を重ねる。全長7.09m、8人、燃料165L。

  • トヨタ ポーナム26L

    同じアルミの船体で、26Sと26Fを分けた。全長8.62m、定員10名、160馬力。エンジンはハイラックスサーフの3リッターを船用にしたもの。

  • 日産 ウイングフィッシャー23

    2012年の23は、小型でもキャビンのあるフィッシング。FはFRPのドア、Xはガラスのスライド。船首の柵を高く太くして、キャストしやすくした。

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